ジオ&みずはくツアー「扇状地の成り立ちを知ろう」開催報告
活動報告
2023年09月10日
立山黒部ジオパーク協会の女性ジオガイド1名を含め、スタッフ4名で対応して、みずはくツアーが始まりました。舟見野台地にある下山展望台から北アルプス連峰は雲に隠れて見ることが出来ませんでしたが、棚山台地、舟見野台地、現扇状地とその向こうに十二貫野台地のきれいな斜面は見ることが出来ました。この台地は黒部川が数万年かかって削ってできたと聞いて、水の凄さを感じました。振り返ると黒部川が作った広大な扇状地と天然の生簀、富山湾を見ることができました。能登半島は霞んで見られませんでした。黒東第3発電所は段丘崖を利用し、黒瀬川発電所は扇状地の傾斜(1/100)を利用した水の力で発電していました。舟見野台地は約3万年前の黒部川扇状地で舟見野台地から現扇状地まで約百段の階段を下りましたが1段が300年かかって黒部川が削ったと聞いて歴史を体感しました。入善町の原海岸沖には8,000~10.000万年の樹根が腐らずに今も海底にあるのは真水(湧水)のおかげと聞きました。片貝川扇状地の傾き(2/100)を利用し、約1Km上流の対岸(左岸)にある貝田新円筒分水槽より分水された水が片貝川の下をくぐり、逆サイホンの原理で水を中心より湧き出させている東山円筒分水槽は上流の水量に関係なく公平に分水し、水争いの解消につながりました。富山県には五つの現役の分水槽があるそうです。扇端部の黒部川扇状地湧水群(名水百選)では、湧き出る水が人々や沢スギなど多くの生命に恩恵を与えています。与えられた地形をうまく利用した先人の知恵や努力に感謝しつつツアーを楽しむことが出来ました。
沢スギ自然館
東山円筒分水槽