ジオ&みずはくツアー「扇状地の成り立ちを知ろう」開催報告
活動報告
2022年09月11日
新型コロナウイルス感染拡大の予防をし、定員を25名に戻し、スタッフも3名で対応して、みずはくツアーが始まりました。舟見野台地にある下山展望台からは頂上が雲に隠れた北アルプス連峰を見ることが出来ました。棚山台地、舟見野台地、現扇状地とその向こうに十二貫野台地のきれいな斜面も見ることが出来ました。この台地は黒部川が数万年かかって削ってできたと聞いて、水の凄さを感じました。振り返ると黒部川が作った広大な扇状地と能登半島、そして天然の生簀、富山湾を見ることができました。黒東第3発電所は段丘崖を利用し、黒瀬川発電所は扇状地の傾斜(1/100)を利用した水の力で発電していました。舟見野台地は約3万年前の黒部川扇状地で舟見野台地から現扇状地まで約百段の階段を下りましたが1段が300年かかって黒部川が削ったと聞いて歴史を体感しました。片貝川扇状地の傾き(2/100)を利用し、逆サイホンの原理で水を中心より湧き出させている東山円筒分水槽は上流の水量に関係なく公平に分水し、水争いの解消につながりました。富山県には五つの現役の分水槽があるそうです。扇端部の黒部川扇状地湧水群(名水百選)では、湧き出る水が人々や沢スギなど多くの生命に恩恵を与えています。与えられた地形をうまく利用した先人の知恵や努力に感謝しつつツアーを楽しむことが出来ました。
下山展望台
槽
東山円筒分水槽