けんの山」でテーマとする科学について

本作品は、立山黒部ジオパークを舞台とした科学映画です。
映画の中であつかう科学的なテーマについて紹介します。

水循環

私たちが暮らす土地はどのようにしてつくられたのでしょうか。 私たちが飲んでいる水はどこからきているのでしょうか。 これには、山、平野、海での「水循環」が深く関わっています。 立山黒部地域は山と海の距離が近いため、 ダイナミックな水循環が見られるのです。 主人公たちと水の関わりに着目してみましょう。

清水の里(生地駅前の清水)

大地の隆起

富山平野から見わたす飛騨山脈の景色には 誰もが心を奪われることでしょう。 実は、数百万年前までこの地域は平原でしたが、 隆起を続けて高くなったのです。 飛騨山脈は日本で最も隆起の速度が 速い地域の一つといわれています。 作品の中では、隆起のメカニズムに迫ります。

生地海岸から見る飛騨山脈

宇宙の中の地球

宇宙には無数の星があり、 太陽や地球もそのうちの一つです。 地球は46億年ほど前に、銀河系の端で生まれました。 地球が誕生した時に発生した熱は、 現在も地球の内部に潜んでおり、 大地を動かす力の源となっているのです。

立山から見る天の川と黄道光

TOPICS

黒部川には、白黒の模様の石が多く転がっています。 まるでパンダの模様のようにも見えます。 これは「花こう岩」という岩石で、マグマが 地下深いところで固まってできた岩石です。 地下で2種類のマグマが混ざり、 このようなパンダ模様になったと考えられています。 黒部では、80万年前につくられた花こう岩が 標高2,000m以上の地点でも見つかっています。 これは、ものすごい速さで地面が隆起していることを意味します。

黒部川扇状地の湧水群は名水百選にも選ばれています。山間部に降った雨や雪は、河川水となって黒部峡谷を流れ下ります。 やがて扇状地に到達した河川水は、 扇状地に堆積した砂礫の隙間に浸透し、地下水となります。 地下水は、不透水層より深く(40mほど)井戸を掘ると、ポンプなどを使わなくても地表まで湧き出る自噴水となります。 本作で登場する清水もこのような自噴水なのです。

この地図のデータは、
基盤地図情報 数値標高モデル10mメッシュ
国土数値情報 河川データより引用

黒部川扇状地の湧水群は名水百選にも選ばれています。山間部に降った雨や雪は、河川水となって黒部峡谷を流れ下ります。 やがて扇状地に到達した河川水は、 扇状地に堆積した砂礫の隙間に浸透し、地下水となります。 地下水は、不透水層より深く(40mほど)井戸を掘ると、ポンプなどを使わなくても地表まで湧き出る自噴水となります。 本作で登場する清水もこのような自噴水なのです。

スタッフが選ぶ名シーン

清水しょうずを汲む剣

本作の導入部であり、黒部を象徴するシーンです。山で父を亡くした剣の複雑な心境が表れています。
また、剣が自身と山の関係を見つめ直すキーポイントともなっています。

清水しょうずを汲む剣

本作の導入部であり、黒部を象徴するシーンです。山で父を亡くした剣の複雑な心境が表れています。
また、剣が自身と山の関係を見つめ直すキーポイントともなっています。

松村先生の熱い解説

合宿の道中では、地球科学を志した科学部顧問の松村先生が立山の自然や地質、地球物理について熱く語ります。
ポケットから石を出すシーンでは、
思わず「え、これ山にもってきたの?」とびっくりしてしまいます。

松村先生の熱い解説

合宿の道中では、地球科学を志した科学部顧問の松村先生が立山の自然や地質、地球物理について熱く語ります。
ポケットから石を出すシーンでは、
思わず「え、これ山にもってきたの?」とびっくりしてしまいます。

剱岳の眺め

標高2,999 m の剱岳は、「岩と雪の殿堂」と呼ばれる
日本屈指の名峰です。
本作の中盤で、科学部一行が別山(標高2,880 m)に登頂し、
剱岳の急峻な山容に圧倒されます。

剱岳の眺め

標高2,999 m の剱岳は、「岩と雪の殿堂」と呼ばれる
日本屈指の名峰です。
本作の中盤で、科学部一行が別山(標高2,880 m)に登頂し、
剱岳の急峻な山容に圧倒されます。

立山の星空

剱沢キャンプ場でのシーンです。
立山連峰では、夜になると暗闇の中に無数の星が浮かび、
まるで宇宙に放り出されたかのように感じます。
このシーンでは、満天の星の下、
剣が幼いころから大好きだった星空について語ります。
後藤拓也との絶妙な掛け合いが見物です。
宇宙と地球、命の関係を知った剣の心境の変化に注目しましょう。

立山の星空

剱沢キャンプ場でのシーンです。
立山の山域では、夜になると暗闇の中に無数の星が浮かび、
まるで宇宙に放り出されたかのように感じます。
このシーンでは、満天の星の下、
剣が幼いころから大好きだった宇宙について語ります。
後藤拓也との絶妙な掛け合いが見物です。
宇宙と地球、命の関係を知った剣の心境の変化に注目しましょう。